思い通りにいかない時、あなたはどうしますか?
「うまくいかない」「思い通りにならない」「どうしてなんだ」——挑戦や努力を続けていると、誰もがこのような壁にぶつかることがあります。目標に向かって進んでいるからこそ、安定した場所から出ようとするからこそ、こうした課題に直面するのです。
この記事をお読みいただいている方であれば、どんな壁や課題が目の前に立ちはだかろうとも、それを乗り越えられる力があると信じています。しかし、中には目の前の壁に屈してしまい、夢や目標を諦めてしまう方もいらっしゃるでしょう。
講師は7年間で4000名以上の方にコンサルティングやコーチングを提供してきた経験を持ち、多くのクライアントが現状の壁や課題を乗り越えられずに悩んでいる姿を見てきました。
「穴を掘る」現象——なぜ壁がより高く感じられるのか
何度努力しても、どれだけ時間やお金、労力をかけても乗り越えることができない状況が続くと、多くの人は自分の能力不足を責めたり、環境の悪い面を探したりしてしまいます。
この状態が繰り返されると、まるで自分で地面に「穴を掘る」ような現象が起こります。壁の高さは変わっていないのに、相対的に壁がどんどん高くなっていくように感じられるのです。
重要なポイント:問題は壁の高さではなく、私たちの立ち位置が下がってしまっていることにあります。この「穴を掘る」現象を理解することが、壁を乗り越える第一歩となります。
脳の証拠集めメカニズム——思考が現実を作り出す
人間の脳には興味深い特性があります。「うまくいかない」「思い通りにならない」と思った瞬間に、脳はそれを裏付ける証拠を集め始めるのです。
この証拠集めのプロセスは無意識に行われ、「だからうまくいかないのだ」「やはり思い通りにならない」という確信を強化していきます。結果として、ネガティブなループに陥り、成功とは逆方向に進んでしまうことになります。
脳の働きを味方につける
しかし、この脳の特性は逆方向にも働きます。「うまくいく」「成功する」と思い込むことで、脳は今度は成功の証拠を集め始めるのです。つまり、思考パターンを変えることで、脳の働きを味方につけることができるのです。
ネガティブなセルフトークの言い換え方法
壁を乗り越えるための最も重要なスキルは、ネガティブな独り言(セルフトーク)が生まれた瞬間に、それを肯定的な言葉に言い換えることです。
具体的な言い換え例
ネガティブなセルフトーク:
「うまくいかない」「思い通りにならない」「なんでだ」「ダメなのかな」
↓ 即座に言い換える ↓
ポジティブな言い換え:
「違う違う、こんなうまくいかないなんて私らしくない」
「次は絶対うまくいく」
「これはめちゃめちゃうまくいっているから、もうすぐ成功する」
声に出すことの重要性
この言い換えは、必ず声に出して行うことが重要です。頭の中で言い直すのと、実際に声に出すのでは体感として全く違います。声に出すことで、脳により強いインパクトを与え、新しい思考パターンを定着させることができます。
「私はうまくいくんだから」「これこそが私らしい」——このように自分自身に教えてあげることで、脳は「うまくいく証拠集め」を始めます。うまくいかない脳から、うまくいく脳へと変わっていくのです。
リーダーとしての声かけのポイント
経営者、スポーツ選手、アーティストなど、チームを持つリーダーの方にとって、メンバーが壁にぶつかっている時の声かけは非常に重要です。
共感だけでは不十分
落ち込んでいるメンバーに対して「そうだね、つらいね」と共感するだけでは、二人で「うまくいかない証拠集め」をしてしまうことになります。
効果的な声かけの方法
- 「私たちはこうなるんだよ」——チーム全体の可能性を示す
- 「絶対うまくいくよ」——確信を持った前向きなメッセージ
- 「大丈夫だよ」——安心感を与える言葉
重要な注意点:押し付けがましい声かけは逆効果になる可能性があります。信頼関係がある相手に対して、うまくいくことが当たり前だと思えるような自然な声かけを心がけましょう。
まとめ——思考を変えて人生を変える
壁を乗り越えるために覚えておきたい3つのポイント:
- 脳の証拠集めメカニズムを理解する——思考が現実を作り出すことを知る
- ネガティブなセルフトークを即座に言い換える——声に出して行うことが効果的
- リーダーは前向きな声かけでチームを導く——共感だけでなく希望を示す
どんなに挑戦を続けていても、うまくいかないことや思い通りにならないことは必ず起こります。しかし、そんな時にどんな考え方をし、どんな行動をするかで結果は大きく変わります。
特別な技術は必要ありません。ただ声に出して言い換えるだけです。今日からぜひ実践してみてください。あなたの脳が「うまくいく証拠」を集め始め、成功への道筋が見えてくるはずです。