人は簡単に変わることができます。
――そう言われたところで、きっとこれをご覧の方の中には、「なんだ自己啓発か」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。
今まで多くの努力をされ、数えきれないほどの壁を乗り越えてきた方だからこそ、人が変わることの難しさを身をもって経験されているのだと思います。
では、なぜ簡単に変われないんでしょうか。努力しているのに。気合いを入れているのに。なぜ思うようにいかないんでしょうか。
僕自身も、昔からずっと考えてきました。
今から話す内容は、実際にFortune500掲載企業の60%以上に導入されたプログラムを元にしたもの。
つまり、世界中のトップ企業が、社員教育やリーダーシップ開発の基盤としてこの理論を取り入れてきたんです。
単なる「自己啓発」や「精神論」ではなく、科学的に裏付けされたコーチング理論であり、一流の現場で活用され続けてきた実績があるということなんです。
努力しているのに変われない、そのもどかしさ
これをご覧いただいている方も、きっと何かしらの理想像や夢を持っていらっしゃると思うんです。「私本当はこういう人でありたいんだよな」とか、「これを手にしたいんだ」、「こうなっていったら最高なんだけどな」って。
中には、文字通り寝る間も惜しんで一生懸命努力されてきた方もいらっしゃるでしょう。気合と根性でどうにか解決しようと、時間やお金、労力を費やして行動しているのに、思うように変わることができない。
一方で、たくさん遊んで、好きなことだけして、軽やかに夢を叶えていく人もいるじゃないですか。ものすごい努力をしている人から見たら、「そんな簡単にうまくいかれちゃ困る」って、正直ムカつきますよね(笑)。
では、その理由って考えたことありますか?
一般的に考えられる「変われない理由」
思うように人が変われない理由として、こんなことが考えられがちです:
- 努力が足りない:行動量が少ない、もっと頑張らなければ
- 才能がない:生まれ持ったものがないから成果が出ない
- 環境が整っていない:自分が花を咲かせられる環境じゃない
- 相性の問題:メンターや分野が自分に合っていない
これらも一理あるかもしれませんが、脳の仕組みから考えてみると、もっと面白いことがわかってくるんです。
脳のフィルタリングシステムを体験してみよう
では、ちょっと一緒に実験をしてみませんか?
今から5秒数えるので、周りを見渡して赤いものが何個あるか探してみてください。
用意、スタート!
1、2、3、4、5
はい、ストップ!
何個赤いもの見つかりましたか?
もう一回周りを見渡してみてください。だいたい同じ数でしょうか。
では、ここからが本題です。
周りを見渡さずに答えてください。青いものっていくつありましたか?
…わからないですよね?
それでは今度は周りを見渡してみてください。青い文字、ボタン、何でもいいです。何個ありますか?
驚くべき脳の仕組み
これ、不思議じゃないですか?
赤を探す時、部屋中見渡しましたよね。ということは、青いものも絶対に目に入ってるはずなんです。視界には入ってるはずなんです。でも、青が何個あったかっていうのは記憶に残ってない。
人間って、「これを見る」って決めたこと、「この情報が今の私にとって重要である」と決めた情報しか認識しないんです。
先ほど私の言葉で、皆さんの脳は「赤いものが重要だ」と判断しました。なので、赤いものの情報は拾えるわけです。でも、青い情報はその時重要ではなかったので、全部視界に入ったとしても捨ててしまうんですよ。
こういったことが、日常で当たり前のように起きているんです。
重要度の判断基準は「過去」
つまり、日常生活であなたが認識している物事っていうのは、全てあなたにとって重要な情報なんです。うまくいかないことがあったとしても、気分が悪くなるような出来事があったとしても、それがあなたにとって重要であるからなんですよ。
では、ここからさらに重要なポイントです。
人間の脳は、「過去」を材料に、目の前の情報が重要であるか重要でないかという評価をしているんです。
例えば、東京ドームで野球を観戦しているとします:
- 野球経験者なら、試合状況や選手のグローブのメーカーを気にするかもしれません
- お酒好きなら、売り子さんの位置やビールをいつ買えるかを見ているかもしれません
- 最近振られた人なら、可愛い子がいないか探すかもしれません
その人がどんな過去を持っているか、どんな現状であるかによって、重要度がガラッと変わってくるんです。
変われない本当の理由
さて、今日の最初のテーマに戻りましょう。
人はなぜ変わることができないのか?
時間やお金や労力をかけてめちゃめちゃ努力したとしても変わることができない。「なんであの人はあんなポンポンいい成果を出していくのに、なんで俺だけうまくいかないんだろう」って思ってしまう。
その理由は、過去を元に、今、目の前にある情報が重要であるか重要でないのかを判断し、重要な情報のみ残すシステムが備わっているからなんです。
つまり、私たち人間って、過去を基準にした生き方しか知らないからなんですよ。
では人が変わっていく方法はないのでしょうか?
いいえ、変わる方法はあります。
自分を大きく成長させていくためには、今までの自分では認識できなかった情報を知ることができればいいのです。今までの知っている情報を何度繰り返しても、大して結果は変わることがありません。
進化と言えるような大きな成長をしていくためには、今までの自分では気付けなかった、認識できなかった情報を手にする必要があるんです。逆に言うと、今までの自分では知り得なかったその情報を知ることで、私たちは大きく成長することができる。爆進化をすることができるようになるんです。
この脳の仕組み非常に面白くないですか?
次回は、「どうやったら今までの自分では認識できなかった情報を認識できるのか」について、具体的な方法をお話していきます。お楽しみに!
上記記事は自身のYouTubeを参考に作成しております。